オカンの「消しゴム」理論とは?|失敗も自分の一部
なんでか分からんけど、「自分ばっかりが悪い気がする」
――そんな風に思い詰めてしまうこと、ない?
人間関係って、めっちゃむずかしい。
ちゃんと話したつもりでも誤解されたり、一度のすれ違いで距離ができたりする。
特に、“仲良かった友達”とギクシャクしたときって、心の奥がじわ~っと痛くなるんよな。
「自分が悪かったんかもしれん、もっと優しく言えばよかったんかな」
謝ったほうが“ええんやろな”って思いながらも、ほんまは、“なんで自分だけが反省してるんやろ”って自己否定の沼にハマってまう。
そんなとき、うちのオカンが言うたひと言が、心に残ってる。
「アンタな、消しゴム持ちすぎや。」
最初はピンとこんかったけど、そのあと続いた言葉が、心にすーっと染みた。
「なんでもかんでも自分のせいにして、“間違った”言うて消してまうやろ。それ、ほんまはアンタの一部やで。」
オカンの言う“消しゴム”って、自分の失敗を消そうとする、そんな“自分の一部”を、なかったことにしようとするクセのことやった。
完璧を求めすぎたり、自分ばかりを責めたりすると、ほんまに“自分”がわからんようになってしまうんや。
――この記事では、そんなオカンの言葉を通して、“自己否定から抜け出すヒント”届けるで。
全部、自分が悪いって思い込むの、そろそろやめてもええんちゃう?
全部自分のせい?
そんなこと思い込んで、毎日しんどくて、心がすり減ってく。
でもな、ある日オカンが言うたんよ。
「それ、ほんまはアンタの一部やで」
その一言が、心にポンと風穴あけてくれたんや。
「それ、ほんまはアンタの一部やで」|“間違い”を消しすぎた心に、オカンがくれた言葉
友達とちょっとギクシャクして、距離が空いてしまったとき、真っ先に思ったのは「自分が何かしてもたんやろか?」ってことやった。
でもな、オカンはこう言うてきたんよ。
「あんたな、消しゴム持ちすぎや。」
そのときは、何のことかわからんかった。
でも、次の言葉が刺さったわ。
「自分ばっかりが“間違いを消そうとする”クセが、心をすり減らしていくんや」
人に嫌われたくなくて、気まずくなるくらいやったら、“自分が全部悪かったことにした方がラク”って思ってまう。
でも、それが続くと、ほんまに自分の存在が“間違ってる”ように感じてまうんや。
オカンの言う“消しゴム”ってのは、自分の“失敗”も“感情”も、ぜんぶ自分で消してしもて、“なかったこと”にする“クセ”のことやった。
オカンの、その一言に、涙が止まらんようになった
小学校から仲良かったツレと、高校入学して間もなく、しょうもないことで喧嘩した。
別にどっちが悪いってわけでもなかったけど、なんかそれから疎遠になってもた。
通う高校も違ったから、しゃあないんやけど、あれ以来、全然、会うことなくなった。
ある日な、ふとこぼしたんや。
「やっぱ自分が悪かったんかな?」って。
そしたらオカン、こっち見ずに言うてきた。
「アンタな、また消しゴム持っとるやろ。」
「は?」って思った。
「なんでもかんでも、自分のせいにして、“間違った”いうて消して、無かったことにしてまうやろ。それ、ほんまは”アンタの一部”やで?失敗も、伝わらん優しさも、噛み合わん気持ちも、ぜんぶアンタの人生の跡やろ?消さんでええねん。」
言葉の途中から、涙が止まらんかった。
「消してばっかりおったら、ほんまに“自分”無くなってまうで」
そのとき初めて思った。
「あ、“自分を消そうとしてたこと”が一番つらかったんや」って。
全部、許せんでもええ、けど自分だけは許したって
人に傷つけられたり、裏切られたりしたときも、「許さな」って、自分に言い聞かせてしんどくなること、ない?
でもな、全部を許せなくても大丈夫やで。
無理に“いい人”にならんでええ。
自分まで責め続けてボロボロになる必要はないんや。
せめて、今日だけは自分の味方でいてあげて。
それだけで、心が少し軽くなるはずやから
もし「もうしんどい」「これ以上は無理かも」と感じているなら、無理に頑張らんでもええ。
自分を守るために“逃げる”ことも、立派な選択やで。
オカンに救われた夜の話も、よかったら読んでみてな。
逃げてもええんやで!限界感じたアナタに贈る、心の健康を守るための大切な選択|オカンに救われた夜の話
明日を少しラクにするための3つの行動
① 「今は許せてへんけど、ええねん」って声に出す
許さなあかん、謝らなあかん、反省せなあかんそのループから一回抜けてええ。
まずは、「今のままでも、ええかもしれん」って、今の自分を許してあげることから始めてみて。
② 相手との“距離”を、自分のせいに変換しすぎんようにする
人との関係は、“相手”の都合や気持ちもある。
距離ができたからって、“自分が悪い”とは限らへん。
ときには、“流れ”に身をまかすことが、一番の誠実さかもしれん。
③ 心の中の“消しゴム”を、一回手放してみる
「自分のせいかも」って思ったとき、まずは“消そうとする”前に、“書き足してみる”。
「でも、ちゃんと伝えようとしてた、大切やって思ってた」って。
…それって、消さんと残してええ想いちゃうか?
“消しゴム”ばっか使わんと、“そのまま”の自分でおってええんやで
オカンは、こんなふうに言うてたんよ。
「アンタが間違えたって思うて消そうとしてことでも、実は誰かの心に残ってるかもしれへんやろ。それ消すって、ほんまにもったいないことやで。」
今もふと、ツレのこと思い出す日がある。
でも、その記憶に涙はついてこんようになった。
だって、もう消してへんから。
今、人間関係に疲れて、「また自分が悪いんかな…」って思い詰めてるあんたへ。
たぶん、あんたはもう十分ようやってる、むしろ、優しすぎるくらいや。
今日くらいは、心の中の消しゴムを引き出しにしまって、「まあ、これも人生の跡やな」って残したってな。
”失敗や弱さも自分の大事な一部なんやから。”
それでええ、ほんまに、それでええんやで。
免責事項
※本記事は筆者の体験と感情をもとにしたストーリーエッセイであり、医療的・心理的アドバイスを目的とするものではありません。心の不調や人間関係の悩みが深刻な場合は、専門の相談窓口や医療機関にご相談ください。
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